松前の名木

光善寺境内の「血脈桜」
松前一のさくらの古木といえば、光善寺の「血脈(けちみゃく)桜」です。
 樹齢は300年以上で、松前を代表する品種の「南殿(なでん)」は、この血脈桜を親木にして増やされてきました。
 1973(昭和48)年に北海道の記念保護樹林に指定されています。

 ここ数年は、ゴールデンウィークが見ごろとなっています。

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血脈桜伝説
 松前城下に住む鍛冶屋の柳本伝八がある年の春、娘の静江を連れて上方見物に出かけました。吉野で知り合った一人の尼さんから送られた1本の桜の苗を土産に持ち帰り、菩提寺に献納しました。
 その後何十年を経て、桜も八重の大木になった宝暦年間のこと。本堂修理のため、この桜を切ろうとした前夜、住職の枕元に一人の女性が現れ、「死は明日に迫る身、血脈を与えられよ」と頼みました。住職は「明日にしてくれ」と断っても聞き入れないのでやむなく本堂に入れ、念仏を唱えて血脈を与えました。
 翌朝、住職が切り倒されようとする桜を見上げたとき、葉の間に白いものが動いたので近寄ってみると、それは前夜与えた血脈でした。「前夜のことはさくらの精がしたことだ・・・」と直ちに伐採を中止し、盛大に供養を行い、血脈の名が付けられたのです。

 「血脈」=死んだ人が仏になれるようにお坊さんが与える書付のことです。


北東石垣の「雨宿」
 松前城の北東石垣にある「雨宿」は、樹齢がおよそ70年で、日本最大級の雨宿です。
 花は白色で、大輪、香りが非常に強い品種です。
龍雲院の「蝦夷霞桜」
 霞桜は日本各地に広範囲に自生しています。松前では八十八ヶ所霊場の斜面などに自生しています。
 龍雲院境内にある蝦夷霞桜は、植物分類学者で元北海道大学教授の館脇操博士が、特にこの古木に「エゾカスミザクラ」と命名したものです。
 背後の龍雲院との景観が、さらにさくらを引き立てています。
 見ごろは、ゴールデンウィークを過ぎたあたりです。
天神坂の「夫婦桜」
  平成19年5月1日に命名された天神坂の「夫婦(めおと)桜」は、染井吉野と南殿が1本の根から育っています。
 昭和の初め頃、鎌倉兼助氏が染井吉野を台木に、南殿を接ぎ木したものです。ソメイヨシノは若いとき丈夫で成長が早く、腕くらいの太さになっているのに気づき、切るのが惜しく、両方とも伸ばすことにしたそうです。
 1本の木に寄り添うように咲く染井吉野と南殿が、中睦まじい夫婦のようであることから、「夫婦桜」と命名されました。
(写真手前の白っぽい桜が染井吉野、奥の淡紅色の桜が南殿)
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